何をしてるんでしょーか？

薄暗い個室に呼び出され、そこに足を踏み入れるとその人が待っていた。
部屋に入るや否や上半身裸になってベッドに横たわれと言う。
この部屋の中では、その人の言うことは「絶対」だ。
言われるがまま、私は衣服を脱ぎ去りベッドで仰向けになった。
その人は私の腰を上げさせるとクッションを挟み込み楽な姿勢をとれと命じた。
命じられたとおりクッションに身を任せていると、その人が私の身体に何かを垂らし始めた。

――それは人肌に暖めたローションだった。
充分にローションを垂らすと、その人はある滑らかな器具を用いて私の胸を撫で回した。
上から下から、あらゆる方向から私の胸を撫で上げる。
執拗に胸をなでても、登頂部には時折掠めるように触るだけだ。
そしてその人自身は私の身体に絶対に触れようとはしない。
あくまでも私に触れるのは器具のみだ。

存分に胸を撫でると、その人はティッシュを使って私の身体を優しく拭いてくれた。
そして、拭き足りないところがあったら拭けと濡れタオルを渡すと、背中を向けてしまった。
私は受け取った濡れタオルで自分の胸を拭いた。
右から左から、ローションをすべて拭き取ると私は衣服を整え足早にその部屋を去った。